書いてかないと忘れるからメモみたいな感じで書いて行こうというやつです。まあ本当に趣味でしかないから音楽への影響がどうとかはあんまり見込めないかも。とりあえず年越してから今日まで見た映画について。
「名付けようのない踊り」
田中泯のドキュメンタリー、良かった。踊りは見ている人の中にも踊りが発生している、みたいな話が面白かった。映画としては田中泯の気分みたいなものを上手に汲んでいるんじゃないかと思ったけど、別にこの人に詳しいわけじゃないからなんとも言えない。脳が水に沈んでいくみたいで気持ちいい……みたいなこと言って終わるのがなんか良かった。
「噛む女」
神代辰巳のサスペンススリラーみたいな映画。悪くないんだけど良くもないみたいな、好きな要素は多いんだけど特別なものも無いような印象。かつてアート系の映画監督に憧れたAV監督が不倫しまくってるうちに小学校時代の同級生と出会って……みたいないかにもなメロドラマで凄く俺好みなんだけど、まあ何か驚かされるような観念とかは登場せず。主人公が妻の前で無言電話にキレるシーンは良かった、あと最後のお葬式も好き。
「伝説巨神イデオン 発動編」
久しぶりに見たけど怖い映画だと思った。今までもこの映画に対する畏怖みたいなものはあったけど、ハッキリと恐怖を感じたのは今回が初めてかも。何が怖いのかって言うと途中で映画の視点がソロシップクルーからイデの目に切り替わるような感じがして、人間を超えた上位存在の気分が自分の脳に入り込んでくるような恐怖があった。ニューエイジの暗黒部分を捉えた映画とも言えるかも、ほんと変な映画ですね。本当はこの映画だけで一つ記事を書こうと思ったけどうまくまとまらなくて断念、まあもっと映像にも物語にも詳しい人はいるしね。物語についてはさんざん語られつくしてるし映像の話になるとどうしても作画の話になっちゃうから、誰かこのカメラは誰の目なのかとかそういう視点で語ってる人がいたら面白いかも。
「赤線玉の井 ぬけられます」
うーん、悪くないんだけど個人的には溝口健二の赤線地帯の方が好きかも……。覗き見みたいなカメラは最高、セックスを覗き見する欲望ってある意味では劇映画の本質の一つに近づいてるような気がするけどどうでしょうか。全体的にちょっと笑える画作りなのは好み、繁子の日課のシーンは最高かも。最後のくら替えのために自転車で駆けてくショットも良い。時々挟まる漫画も良いけどまあだから何?みたいな気分もあり。
「色情姉妹」
三姉妹ものってことに気が付くのにちょっと時間かかった、昔の映画って普通に話理解するのに時間かかったりするけど現代人は頭が悪くなってんのかな。義父が娘を犯していてそれを母親が見るシーンが一番好きかもな、娘は抵抗するんだけど結局脚絡めちゃうのもなんか笑える。上の二人の話はセックスを繰り返しながら社会の中でもがく女って感じでまあわかるんだけど、一番下の妹はマジでなんだったんだ。軟派な女の肌に塩酸をかけて(ひどい!)そいつの乙女な日記を読んでオナニーってマジ何なんって思った。曽根中生ならもっと面白いのはあるかもといった感じ。
「大地の子守歌」
騙されて女郎小屋に売り飛ばされた少女の話で、増村の中でも特に溝口っぽさを感じた。主人公のおりんはとにかくクソガキで言うことは全く聞かないし暴れまわるし、別に女郎小屋の親父の言うことに従順なのが良いとかは全く思わないけどまあとんでもないやつではある。正直途中まではおりんがかわいそうだなぐらいの気分だったんだけど、いつまで経っても折れないおりんにだんだん心を打たれてくるような気がした。でもまあ全体通しては普通、中盤のヤバい折檻のシーンと舟で若い男に棒で打たれるシーンが良かった。
「ラブホテル」
これは傑作だった……、すごく良い映画。レイプ未遂の犯人とその被害者の恋愛とかいう倒錯的だし倫理的にもグレーな感じなんだけど、この登場人物たちの日常に擦り切れて鬱屈とした気分が映画通してずっと満ちてる感じが最高。女の不倫相手の奥さんが職場にきて追いかけっこするシーン、その不倫相手に電話を切られた後もずっとしゃべり続けるシーンが良かった。特に後者のエモーションの爆発は身震いするような感動がある、こういうのを見たくて映画を見てるのかも。
「痴漢電車 弁天のお尻」
これも大傑作、見て良かった。あらすじについては説明しにくいから割愛。登場人物みんな死んだ目してて良かった、突然暴力が入り込んでくる温度感も最高。主人公が話の途中で急にブツブツ言いだしちゃうのがなんか良くて、彼の世界だけ現実から少し浮いちゃってるような疎外感があった。ピカチュウのお面をかぶった強盗とか子持ちのスリとか不感症のホテトル嬢とかまあみんな苦しそうなんだけどみていて心地の良いくだらなさというか、まあ恥ずかしい言葉だけど愛みたいなもの感じました。冒頭と最後に挟まる夢のシーンがめちゃ良い、タルコフスキー感あるかも。こういうの本当に好きです。色々あるけど最後は女優の表情にやられた、ぜひ通して見てください。タイトルはビデマだと「弁天のお尻 彩られた柔肌」になってたんだけどなんでなんだ。原作はいましろたかしのデメキングらしいです、許可取ってないって見たけど本当なのかな。