更新するのがどんどん面倒になってきてるけど頑張っていこうと思います。2月入ってから忙しくなって先月みたいなペースでは見てないから少し楽ではあるかも。まあ簡単に書いていきます。
「青空 / 果てしない欲情 もえさせて!」 監督:サトウトシキ
名作、完璧な映画だと思った。突き放した調子のモノローグで自分の犯罪を振り返っていくような構成になっていて、なんか他人事みたいに自分のことを語る気分がひたすら悲しい……。冒頭こんなに暗いブルーハーツの音楽の使い方他に無いでしょって感じに青空が流れ出してもうなんか掴まれてた。警察から逃げて走ってるところも神。あとサトウトシキは暴力の見せ方がめちゃくちゃ良くて、中盤の金属バット撲殺のシーンとかマジ最高です。最後なんであんなことになっちゃったのかは説明できないけどなんかわかるような、どうしようもなく暗い気分が伝わってくる映画です。
「団地妻 白昼の不倫」 監督:サトウトシキ
神映画、マジで良かった。小津的な感性で映画を撮ろうとしたときに、突き詰めていくとセックスの話を避けられなくなる気がして、ピンク映画ってそれができる土壌なのかなとか思った。夫の愛情が完全に冷めてしまった夫婦の会話は、お互いがそれぞれ違う方を見ながら話してるような歪さがあったような。毎回無視されるキス待ちなんか笑えるんだけどいざ本当にキスされるシーンはめちゃくちゃ怖いし、もうとっくに擦り切れているものをあるように見せかけているような嘘くささが長い関係には付きまとうなと思った。良いシーンは数えきれないけれど、印象深いのは風呂を沸かすことで喧嘩してからの仲直りセックスと帰宅した夫に酒を飲ませるシーン。特に後者の空いたグラスに間髪入れず酒を注いですぐそれを飲み干して……を何度も繰り返すシーンの冷たさは凄い!ラストに全員がセックスしだすのもめちゃくちゃ熱いし、最後のセリフは凄すぎて仰天。今年これより面白い映画見れんのかってぐらい良かった。
「タンポポ」 監督:伊丹十三
おもしれー。基本はラーメン屋版のロッキーなんだけど(なにそれ)本筋を縫うように関係ない”食”の話が差し込まれる構成が変で良かった。それも最初はフランス料理屋?でちょっとカッコつけたりする程度のものだったのがだんだん謎のマフィアの話になっていって結局本筋に何も関わらないまま終わるんだけど、食を通したエロスとタナトスみたいなものが映画に入り込んで、単なるラーメン屋の話に変な奥行きが生まれてるのが面白かった。卵黄を口に含んだままキスするシーンと牡蛎のシーンが良かった、どっちもラーメン屋関係ねー。
「創造物」 監督:アニエス・ヴァルダ
意味わかんなすぎてかなり笑った、別に面白いわけでは無いと思うけど……。前半やたら強調されるカニのモチーフも意味わかんないし後半謎のマッドサイエンティストみたいなやつとこれまでの登場人物が出てくるボードゲームが始まるのも意味不明だった。単に不条理だったりシュールだったりする映画ならなんとなく意味がわかるような感じもするんだけど、これは普通にわけわかんなかった。音楽の使い方もマジで変だし。この監督の幸福とか5時から7時までのクレオとかもっと普通に面白いし、言っちゃなんだけど難解にしすぎて滑るってタイプの監督でも無いと思うからこれをどんな気持ちで作ったのかがマジで気になる。
「ペダル ピストバイク・ムーブメント in NY」 監督:ピーター・サザーランド
ニューヨークの街を自転車で爆走する配達人たちのドキュメンタリー。こいつらマジで交通ルールとか守んなくて車の間を抜けるとか信号無視とか当たり前だし、キリストを称えるのぼりとか揚げたまま爆走してたりして本当に危ない。しかも謎にみんな仕事に誇り持ってたりしてカルチャーみたいになってるのも変、めちゃくちゃラッパーみたいな喋り方でずっとハイテンションな多分ジャンキーの奴とかかなり笑える。タクシー運転手とか警察からは嫌われまくってるけど構わず街を爆走しまくって、挙句の果てには勝手にレースとか始めてて本当に意味わかんない。もちろんこの仕事の暗黒面にもある程度触れられるんだけど、そういうのも含めて謎に連帯感あってなんというかラッパーみたいな価値観で生きてて面白い。凄いバカな奴とか見ると元気出るけどそんな感じがして面白かったです。
2月入ってから見た映画はこんな感じです。新しいバイトとかスタジオとかで忙しくて映画はあんまり見れてません。せいぜい寝る前に短いやつ一本とかが限界かも。今月はポップコーン汗と野流のライブがあって、来月はサポートでのPSPのライブもあるんでしばらくまあまあ忙しいかも。
後はこの間東大のフェスに行って結構楽しかったのと、corner of kantoのレコ発ライブを見てそれもすごく良かったです。ライブの感想とかもなるべく書いたりしたいんだけど後回しにしてるうちにめんどくさくなっちゃってダメですね。