最近見た映画、読んだ本、音楽⑫

      column

      ZINEの作業を全くしていません。さっきまでホストの漫画読んでどうでもいいこと考えてました。まあやることは決まってるからやるだけなんだけど、素材が揃ってないせいでどうも気が乗らなくて……。今月もこんなに映画見る予定じゃなかったし、最近サボり癖がついてきてる気がする。

      映画の感想

      「異母兄弟」 監督:家城巳代治
      確か富野由悠季が好きな映画に挙げてたはずで、それだけの理由で見た。開幕暴力なのはかなりガンダムっぽいし、鼻息の荒そうな親父が女の人をいじめ続ける話もなんとなく富野っぽいような?どんどん弱ってく三國連太郎が良い。音楽の使い方は笑っちゃうような。あとこの時代の終戦で終わる映画って面白いけど乗り切れないみたいなこと思った。戦争が終わるって事実として凄すぎるし、それを実際に経験した人が経験した人を相手に作ってるから、俺は微妙に蚊帳の外というか、関係ないというか。人の因果や業とかが終戦と共に一つの決着がつくみたいな感覚って、物語の域を超えちゃってるというか、俺はそれにどう接していいかわからないなとか思う。二十四の瞳とかもそう、面白いけど。まあでもたまーにこういう映画見たくなる気がする。真空地帯とか見てなんか凹むみたいな。

      「女のみづうみ」 監督:吉田喜重
      読み終わったみづうみが凄く良かったから原作の映画を見た。話がだいぶ違ってるのものあるけれど、これは全然面白くなかった。多分俺はこの辺のいかにもアートみたいなノリの映画が好きじゃないんだと思う。ツィゴイネルワイゼンとかも全然好きじゃないし。ショットの感じとか何かいい感じだし面白そうなんだけど面白くならないみたいな。原作はハンドバッグを盗んだ男(銀平)が主人公なところをこちらは愛人をしている女(宮子)を主人公にしていて、これもなんか日本映画の良くないところが出てるなというか。美人女優がよろめいてるみたいな映画を真顔で撮ってアートです、みたいなのはまあ半分わかるけどもうちょっとお話を真面目に考えようよとか思う。

      「色情団地妻 ダブル失神 / わ・れ・め / 笑い虫」 監督:堀禎一
      良かった。幼稚園をサボろうとする時の変な踊りがなんか泣ける。まあ普通にピンク映画らしい生活覗き見映画だよなって思うけど、金のことですぐ喧嘩になる男女のくたびれ方とか、プロレスを見る二人の温度差とか(プロレスのシーンは本当に良い)、一つ一つに流れる疲れた感じが良い。最後風呂でカレー食ってフェラチオするシーンはなんかおかしくなっちゃった人生を無理矢理普通の生活に戻そうとしてる感じがして良かった。この監督の映画は時間を置いて最初のやつから順に見たい。

      「SELF AND OTHERS」 監督:佐藤真
      牛腸茂雄のドキュメンタリーなんだけど、対象となる本人にカメラを向けるんじゃなくて本人の存在の痕跡にフォーカスしてその不在を撮ることによって逆説的に本人の輪郭を映しているというか、まあ変なドキュメンタリーだった。関係者のインタビューも稀に入るんだけど何言ってるかわからないうちにカメラを空を向いてしまって、とにかくここに彼はいないんだなみたいに思う。時々読み上げられる彼の手紙の内容はまあ彼の人生とか写真について色々言ってるけど、何かしらの回答をなされないし、本人の肉声も言っちゃなんだが意味不明で(かなり良いけど)、他人の人生について触れるというより存在という現象が目の前を掠めるみたいな……なんのこっちゃ。まあ面白かった。阿賀に生きるを見るのも楽しみ。

      「TOCHKA」 監督:松村浩行
      ずっと見たいと思ってたけど面白くなかったなーこれは。確かにトーチカの内外の音はなんか凄い感じするし、前半はなんか面白そうな感じするけど、こういうお話がハッキリしない映画って全然好きになれない。そりゃまあ海で戦争の遺物とか見て自殺するみたいなノリに共感が全く無いわけじゃないけれど、90分もかけてやることじゃないでしょ。これは自戒も込めてるけど時間芸術であるということに甘えた作品作りってあると思う。そりゃあんなに近い音で自殺の瞬間までたっぷり撮って、最後大きく火とかついたらなんか凄い感じするでしょと言うか。ロケーションずっと変わらないのも退屈だし、わざわざ犬まで出てくるのもなんか寓話っぽすぎて嫌。まあ難しい言葉で褒めることはできるんだろうし、フェチの問題もあると思うけど、まあマジ顔でお出しされると萎えるものではあったかも。

      「日曜日は終わらない」 監督:高橋陽一郎
      ようやく行けた海が全然面白くなくてすぐ帰る当たりからずっと良かった。謎の高台を自転車でぐるぐる回ってるところとか、しりとりキャッチボールとか。ずっと死にたい親父の髪切るラストシーンは良かった。死にたいよね全然、おっさんになっても。まあ息子も人殺してるわけだし。なんか全部上手くいかない感じとか、幻想的な女の子が出てくる感じとか、微妙なワンダーが混じってるところとか、あまりにも90年代っぽくて警戒したけど全体としては凄く良い映画だった気がする。また見たいからソフト化してくれー。

      「夏の娘たち ~ひめごと~」 監督:堀禎一
      なんか凄い良かったけど細かいところ全部忘れた、というか映画の感想半分ぐらい頑張って思い出して書いてる。田舎のみんなセックスしてる感じは良かった。異母兄弟の因果を繰り返してく終わりは何故か爽快で良かった。これも時間を置いて見たい。

      「妄想少女オタク系」 監督:堀禎一
      これはキツかった……。こういう題材ではかなり頑張ったほうだと思うんだけど、腐女子の感性って倫理的には肯定できないし時代もあるけどホモとか普通に言うのは見ててまあまあ辛い。でも柔道部の人の告白とか良かったと思うし、音楽の変な使い方とか面白いと思うけど……。モテる方のイケメンが主人公の男に片思いしてる話なのかな?とか思ったけど別にそんなこと無さそう。そうだとしたらいい話だと思ったんだけど。

      「悦楽交差点」 監督:城定秀夫
      ヒロインがちょっと可愛すぎる(褒めてない)かなとか思ったけど、爽快でいい話だった。可愛すぎるってのはつまり、なんというか擦れ方がキモイ男に都合が良いというか、口が悪い萌えキャラみたいなノリを多少感じなくもない。でもストーカーが漁ると確信してゴミ袋に家の鍵入れるところとかマジ最高だと思った。車を追いかけるラストも爽やかで良い。泣けるね。青春映画って感じ。

      「よこがお」 監督:深田晃司
      いくらなんでもマスコミもこんな小物を追いかけないだろみたいなのことは思ったけど、良かった。美容室で髪切ってもらうときに死んだ主人と名前が一緒で……とか怖すぎる。なんやかんやで距離詰めてくるのも怖いし。マン写メも最高。淵に立つも見たい。

      「天竜区シリーズ」 監督:堀禎一
      本当は5本あるけど個別に書くのは面倒だからまとめる。製茶工場は変なドキュメンタリー過ぎて良かった。茶摘みから製茶までを結構早くカットを切ってく変な編集で見せるのを何故か三回繰り返して、最後はカットバックまでしてもう何がなんだか。何か喋ってはいるけど訛りすぎてて何言ってるかわかんないし、本当に上の方から彼らの生活を見下ろしてる感じで何も事件がないから生活という現象がただ目の前で繰り返されてるみたいな。謎の小さいモノレールみたいなので山から下りたり、SF映画に出てきそうな製茶の機会とか、犬とか、出てくるものはみんな良いんだけど淡々としていて凄く眠くなる。眠くなるんだけどそれが悪いって気がしなくて、変なトランスみたいな感じというか、よくわからないけど凄い気がするなあ……みたいな、まあ面白かったんだと思う。家で見たいからソフト化されたら欲しいと思った。

      読んだ本

      「みづうみ」 著者:川端康成
      面白かった。何言っていいのかわからないけど、魔界って言葉は今年一番気に入ってる。美しい女を見ると後を付けてしまう足の見にくい男はまあ魔の存在かも。気に入った少女の彼氏に突き飛ばされるところとかマジ良いし、最後醜い女が現れて関係するのもなんかガロとかそれ系の暗いサブカル漫画みたいな話だなとか思った。それが全部どっか美に向かってる感じがあるのが変だとも思ったけど。

      「千羽鶴」 著者:川端康成
      なんとなくちか子は岸田今日子がやりそうな役柄だとか思った。隙を見てはあれこれ介入してくるちか子は面白かったけど、全体としてはまあ普通かも。変なところで終わるなとか思ったけど未完らしい、ふーん。

      「眠れる美女」 著者:川端康成
      良かった。山の音と同じぐらい好きかも。長生きするほど性欲と過去って結びつくよなって思うし、セックスができなくなった時に残った後悔って救いようが無い感じがした。性的な結合が無くて、実際に人間同士の関わり合いもないが故に、精神の奥深い暗さに触れるような、魔の世界って言葉がしっくり来る小説だった。

      音楽

      今月は全然ディグってないというか、有名だけどあんまり聴いてなかった音楽とかを中心に聴いた気がする。LCDサウンドシステムとか、AC/DCとか。あとはまあライブも何本か行ったぐらい。そんなに話すことがない。

      Faust – It’s A Rainy Day Sunshine Girl

      何故か今月はよく聴いた。冷たいの熱いみたいな音楽は好きだなとか思う。初期のCANとかもそうだけど、こういう音楽やりたい。ドラムパターンはこれが世界一カッコ良いと思う。

      AC/DC – It’s a Long Way to the Top (If You Wanna Rock ‘n’ Roll)

      約一年振りに会った友達がAC/DCの話をしてて、去年聴いたときはあんまりピンと来なかったんだけどなんか急にわかった。最高すぎる。曲の構成、ギターの音、ボーカルの声、全部完璧すぎる。玄人の音楽感ある。こういうなんか熱くて足取りが軽快になるような音楽って好きになれるのが少ないから貴重だし、この先も聴いていくような気がする。

      水いらず – hanasu

      水いらずの新譜は出た日に聴いて、なんというかストレートに好みであるとは言えないし、引っ掛かりも多くて好きなのかどうかわからなかったんだけど、最近になってなんか良いなこれみたいな気持ちになってきた。二曲目のhanasuは普通に超良い曲だし。ただ個人的にはbakeruとuturuがまだピンときてない。bakeruは要素が多すぎてどこを向いてまとまってるのかよくわからないというか、謎に童歌?みたいな歌だったりボカロだったり歌詞に突然入ってくるインセルって言葉だったり、何かしらの部分で全部結びついてるんだと思うけど、俺にはわからないしどういう距離感にある音楽なのかよくわからなかった。間に入る合いの手(これの正しい表現がわからない)にヒップホップの影響というか目くばせも感じて、ここまで複雑な文脈を詰め込むともう何がなんだかわからない。このわからなさというか、ぐちゃぐちゃ過ぎるものを作ろうとしてるんだろうなとか書いてて思ったけど、それが適格だとしてもあんまり褒める気にならないような。いやでも他人を意識しすぎてぐちゃぐちゃになる内面みたいなものの話なんだろうか、うーん。oboreruとhanasuは本当にめちゃ良い曲だからここ数日ずっと聴いてる。

      2025年8月19日(火) 天国注射 2nd album release Party 東京編 新代田Fever
      良かった。くゆるは曲というより音像へのこだわりに力を注いでる印象で、こういうジャンルの音楽としては全く正しい態度だったように感じた。曲中に色々なことが起きない方が轟音のサイケデリアを損なわずに済むよなあというか、18ぐらいの時にマイブラ見に行ったことを普通に思い出した。KK mangaは圧巻。今まで見た中で一番カッコ良かったように感じたけど、このバンドは前回の方が良かったとか思うことが無さそう。特に言うこと無し。天国注射はまず普段からよく聴いてる曲が目の前で演奏される喜びを毎回感じる。なんか音楽家の悪い思考の一つとして毎回即興要素とか入れてライブならではにしたくなる癖が俺にはあるけど、普通に曲を聴けるのって嬉しいなあというか。あの日のライブを見て、彼らの、特にイケザワ君の人柄について何も思わなかった人は少ないと思うけど、久々にああいうのが悪くないように思った。つまり人間を見るような気分で音楽に触れるライブ体験を、不純なものとして否定するのをやめたくなるというか、自分の好きな音楽を人生賭けてやってる人がいる事実に心を動かされるというのは、まあそんなに悪いことじゃないなみたいな。

      2025年8月28日(木) computer fight自主企画 世界の果てのぶっ壊れるような邂逅 新代田Fever
      到着が遅れてPereiraは見れず。一番楽しみにしてたんだけど。ケバブジョンソン超良かった。なんだか気の抜けたポップなんだけど、いちいち曲の展開が変というか、あり得ない落ち方し続けてるみたいで面白かった。タイミングが合えばまた見たい。この前の天国注射の時も思ったけど、最近良いライブを見ると自分が今バンドをやってない事実が辛くなってきてなんか凄く嫌になっちゃう。そのせいでTexas 3000を見てる途中で帰っちゃった。彼らは楽しそうにライブするし曲も演奏も凄く良いし、なんかライブを見ながら感動すると同時に、あんまり見たくないなとかも思う。computer fightは楽しみにしてたし絶対見るべきだったけど、今回は諦めた。きっと良いライブをするだろうから、なんか凹んだ気がするし。いやでも今後しばらく外から見る機会がなくなるんだから絶対我慢して残ってみるべきだったなとか今更思ってきた。まあ仕方ないですね。

      以上。今月はこんな感じでした。エスパー教室の映像を公開したのでよければ見てください。今回改めて映像を見て、これがもう一年以上前なのがなんとなく信じられないというか、なんか俺はここから先に進めてないなあみたいなことを思います。流石にバンドが再開したとしても同じようなノリで同じイベントをやるわけにはいかないだろうし、エスパー教室という試みは達成されないまま終わってしまった過去になっていて、公開することでそのことに一区切りつけられればみたいな気分で出すことにしました。実際かなりカッコ良かったと思うし、刺激的なことをやってたと思うけど、まあ特に知られることなく終わってしまったのは寂しい気がしますね。最近はバンドがやりたくて仕方がないです。予定もないのにデモとか作ってます。音楽との関わり方なんていくらでもあるけれど、やっぱり俺はバンドがやりたいなとか思います。バンドの休止も理由が理由だからどうにもすることができなくて、まあなんとなく気が晴れない日が続いてます。コンピのZINEの作業を進めなきゃなんですけどね。後書きながら思い出したけど今月は童子のサポートでライブもやって、珍しい経験になったと思います。Tiveすごく良かったし、まあ単発のサポートとかも今後誘いがあれば受けていくつもりなんでなんかあったら連絡してください。

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