最近見た映画、読んだ本、音楽⑪

      column

      7月半ばに風邪を引いてから無気力の波が酷くて、そこそこ忙しいはずなのに何をする気にもならない日が続いてる。そのおかげで感想を書くものもいつもより少ない気がしてそれは少し助かったかも。とりあえず見た映画から。

      映画の感想

      「機動戦士ガンダムF91 完全版」 監督:富野由悠季
      いきなりガンダムかい……みたいなことは思うけど見たんだから仕方ない。ジークアクスの出来があまりにも酷くて、ガンダムってもう少し面白いシリーズだったよなと思って見た。正直真ん中の方は眠いしどうでもいい時間も長いんだけど、全体としては超面白い。冒頭のいきなりコロニーで戦争が始まる下りの面白さは半端じゃないですね。モビルスーツ用のライフルの薬きょうが頭に当たって死ぬ人とかアーサーの死体のグデーっとした感じとか、妙に残酷な死の描写が良い。ビルギットさんがバグに殺されるところとかもそう。この監督の人体破壊ってフェチ感じるけどこのシーンは特になんんじゃないでしょうか。死の解像度が高いから映画の緊張感も上がるし、巨大ロボットの馬鹿馬鹿しさも相対化されるような。むしろ巨大ロボットのせいで生まれた新たな死、みたいなものにまで届いてる感じがあってなんか凄みがあるような。
      あとは何と言ってもロナ家の愛憎劇が良い。というかカロッゾが良い。貴族の家と結婚した入り婿なのに嫁を普通の男に寝取られたあげく自分を改造して仮面を被って生きるようになる……という業の煮詰まった感じが良い。こういう変なメロドラマと巨大ロボット戦が同時に進むのがガンダムの面白さであるわけだけど、久しぶりに見ると相当変なもの見てる感じがして良かった。

      「大学は出たけれど」 監督:小津安二郎
      山の音を読み終わってなんとなく小津が見たくなったんだけど、長いのを見るのが面倒で適当にあんまりフィルムが残ってないやつを見た。鼻からタバコを吸うところとかサンデー毎日とか、まあ古いコメディでそこそこ楽しいしどうでも良かった。

      「チワワちゃん」 監督:二宮健
      友達の家で見た。こういう映画ってどう考えても俺みたいなやつが見ることを想定してないはずだから酷評したって意味ないと思うし、関係なさすぎてちょっと面白かった気もする。冒頭から変にカットを細かく刻んで何やってるのかわからない感じで、物語を見せるというより雰囲気を作ることに力を注いでるなという印象。クラブで遊ぶ東京の若者たちの話だからしょっちゅう音楽が流れて踊りだすんだけど、話の流れとかみ合ってないというかなんでお前も踊ってんの?みたいな瞬間が多かった。話も正直大した話じゃないというか、よくいる馬鹿な大学生が漫画の読みすぎで再生産し続けるペラい青春だなあとしか思えなかった。レイプしてきた元カレをビンタしたら逆にビンタされるシーンは意味不明で良かった。あと音量差激しすぎ、コンプかけろ。

      「その女を殺せ」 監督:リチャード・フライシャー
      最初に太った刑事が殺されるところマジ凄い。ガキもうるさくて良いですね。めっちゃ面白かったけど見終わったとき何にも思わなかったのはなんでなんだろう。ジョン・フォードっぽいとか思った。誰でも言える感想しか無し。

      「ニンフォマニアック Vol.1」 監督:ラース・フォン・トリアー
      面白いけど別に好きでもないみたいな。凄く良くできてるし面白いんだけど、俺はもっとショットにフェチがあるような映画が好きだなあ……みたいな。バッハの曲に準えてセフレの話する下りはかなり良かった。一人目の低音にあたる男のクンニがめっちゃ丁寧なのとかなんか良かったかも。主題歌はあんな謎のメタルで良いわけ無さ過ぎた。バッハにしとけよ。

      「どうすればよかったか?」 監督:藤野知明
      とっくに終わってると思ってたのにポレポレ中野でまだギリギリやってたから見に行った。面白かった、疲れたけど。この家は両親ともに医大出の金持ちで海外にもバンバン行くみたいなまあエリート一家なんだけど、そういう出自が持つ業ってあるなあとか思った。世間体なんて気にするのはある程度裕福で何かを背負ってるような生き方をしてる人でしょうというか。姉が発症しだしたころに書いた手紙の内容もいかに自分が優秀だったかみたいな話で、満ち足りたような出自にも落とし穴はたくさんあるよなとか普通のことを思った。
      このタイトルは最後監督が父親に聞く質問なんだけど、妻も娘も亡くなってまだ生きている90歳にこれを聞けるのは相当覚悟が決まってるなとかも思った。そもそもこの映画を撮ろうってだけで相当な思いだと思うけど、見てると実際かなり状況に親身だし半端な関わり方はしていない。色々あったとはいえ娘の25年は確かに失われていて、その責任の一端は自分にあるかもしれなくて、妻も最後は認知症で支離滅裂になってから亡くなって、それでもまだ生き残ってしまったような人生に改めて責任の所在を追求するような質問をするのは生半可じゃないというか、まあ許してはいないんだろうなというか。もう一回ぐらい見ても良いかも。

      読んだ本

      三日前にみづうみを読み終えたけどそれは来月に回します。かなり変だし後期の川端康成はかなり興味あるかも。まあ詳しくは来月に。

      「ハンチバック」 著者:市川沙央
      サポートで参加するcomputer fightに同名の曲があってなんとなく読んでみた。読書量が少ないのもあると思うけどここまで怒りのある小説を読んだのは初めてかも。やけに皮肉っぽい筆致とか屈折した欲望の底にある怒りは、社会にぶつけて何か伝えようみたいな行儀の良さじゃなくて、もっとこちらをいじめ返そうとする意志というかまあ単純に傷つけようとしてくる感じがあった。それも芸術的意図を持ったよくある傷つけじゃなくて、言ってしまえば悪意のような攻撃性で、主人公の子供を堕ろしたいなんて欲望も丁寧に理屈付けられるとこちらは黙ってしまうしかないし、復讐心みたいな気分が無いと出てこない話だよなみたいなことを思った。個人的にはこの小説の中で描かれるセックスとミソジニーの関係というかバランスに面白みを感じたけれど、詳しくは覚えてないから読み返したときにまた書くかも。今月読み終えた本これだけ。そういや話が急に戻るけどチワワちゃんで私たちの青春は自爆テロみたいだったっていう寒いセリフがあるけれど、これぐらい攻撃性を持たないとテロとか言うのは恥ずかしいよなとかちょっと思った。

      音楽

      ライブは多分一つも行かなくて、家でサポートの練習したりコンピの曲聴いてたりした。あとはオジーが死んでブラックサバスを聴きまくったり。ヒョーカのライブもありました。新曲も出たから聴いてください。最近気づいたけどスマホから見るとSpotifyの埋め込みが全然うまくいってない。まあ自分で調べてください。

      L.Voag – Hall

      ホモセクシャルズのメンバーがやってるらしい謎のスカムポストパンク。明らかにふざけてるんだけどセンス良いからなんかギリギリ渋い感じがしてカッコ良い。こういうアルバム一枚作るバンドやりたい。

      Modern Art – Death Wish

      暗いミニマルウェーブみたいな。上に乗っかるギターがサイケな感じで暗くて良い。地味だけど結構変なことやってる感じカッコ良くて好きだ。この曲はかなりメロウでちょっとエモいかも。アルバム通してずっと良いから最初から聴いてほしい。

      あとはSpacemen 3のこの曲ブラックサバスの3rdをずっと聴いてた気がする。他に聴きはしたけど印象深いのはこんなもんかも。

      最初にも書いたけど今月は無気力で何もしてなかったから書くことが少なくて楽だった。8月以降はもっと手を動かす方に注力しつつ、転職というか何かしらの就職がしたい……。あと今日の昼なんとなく欲しいものリスト作ってみたから何か俺への誕プレの参考にしてください。

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